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LOOPS

88 LOCKED GROOVES

Compiled by DJ KENSEI

ソロ名義では当然の事、INDOPEPSYCHICS、COFFEE&CIGARETTES BANDでの活動など、ジャンルを越えて音を探求し続けるDJ KENSEIによる、Locked Grooveを再解釈した、新たな音楽の可能性を予感させる88本のバイナル ループ集“LOOPS”をOMOKAGEより発表する。
音の世界を旅し続けたDJ KENSEIによりコンパイルされた音源は、特殊なカッティング手法によりレコードに刻まれている。半永久的にループし続けるそれらのループを組み合わせる事で、一面的なビートの広がりから、多面的なビートの広がり=新たなGrooveを生み出す事が可能となる。

◯What is Locked Groove?

「ロックド・グルーヴ」とは、レコードに針が進まない1周分の溝をカットする事で、レコードの再生が終わらずに延々とループ再生される特殊な盤面の仕様を指す。
過去にDJ SWAMPが”The Never Ending Breakbeats”と称して多くのLocked Grooveをリリースしたり、近年ではAudio ActiveのCutsighがLocked Groove集”LOOP”をリリースするなど、ラップトップの上では不可能な音楽的な探求を進めるアーティストも見受けられる。
ループの長さは、33rpmの場合は、BPM133で4拍、45rpmの場合はBPM90で2拍分となる。

◯What is LOOPS?

DJ KENSEIが各地を旅してフィールドレコーディングを行なった音源、過去から現在まで制作してきた至極のビート集、更にはsauce81による歌声までをコンパイルし、88個のループに落とし込んだ作品となる。収録されたループ達は、それらを重ね合わせる事により新たなGrooveが顔を出したり、環境そのものを異世界へ変化させる事もある。

たった2秒以下のその世界は、とても深遠なループとして捉えられるだろう。

いわゆる完成品としてのレコードでは無く、ツールとしてのレコードでも無い、”LOOPS”は音楽を探求するアーティスト達が自らGrooveを模索する事の出来る、音の羅針盤のような刺激的な作品である。

プレスについては、東洋化成の著名エンジニア、手塚和巳氏と共にこの特別なループ溝の研究を重ね、同社にてカッティングを行った。
またジャケットデザインは仙台を拠点に活動するグラフィックアーティスト、朱のべんが担当し、自身の生み出した傑作的なシンボルVOCCIを使用し、LOOPSのイメージに則した”無限”を感じさせる作品に仕上げている。
ジャケットの写真においては、都内在住の写真家、Takuya Inoueが担当、マスタリングは京都在住のプロデューサー、KNDが担当した。

以下は音楽評論家としての執筆活動だけではなく、ringsのプロデューサー、dublab.jpの運営も務める原雅明氏からのLOOPSに寄せたコメントである。

「レコードの溝をトレースするカートリッジの針先が中央のレーベル面に近づくと曲も終わりを迎えるわけだけど、なぜ、少なからぬアーティストたちは、レーベル面の手前にある最後の溝にまで音を刻もうとしたのだろう。通常のレコードでは、針先がレーベル面に流れ込まないように最後の溝はロックされてカッティングをされる。針先はそのロックされた箇所を飛び越えて針飛びを起こし、最後の溝を延々とトレースし続ける。
そこで、ブツッという針飛びの周期的なノイズと共にループされる短い音楽が生まれる。それは本来取るに足らない、ちょっとしたお遊びのような仕掛けだった。しかし、音楽が終わらない夢を演出してもいて、不思議な魅力があった。強制的にロックされたループがグルーヴをもたらしたからだ。ヒップホップがサンプリングでラフに切り取ったループにはその痕跡が感じ取れた。ターンテーブリストやミニマル・テクノのプロデューサーやDJたちは針飛びをビートの一部に積極的に転換してみせた。
なぜ、人はループに惹かれるのだろう。メロディ、リズム、ハーモニーだけではなく、音色やテクスチャー、そしてループも音楽の重要なパーツでありインスピレーション源である。ループは現在の音楽制作の基盤の一つにもなっているが、容易に作り出せるものだと思われているかもしれない。いや、実際のところ、いまやコンピュータによって手軽に作り出せるものなのだ。しかし、不思議な魅力を感じたロックされたループがそうであったように、あるいは手作業で切り貼りされたテープループがそうであったように、ループはコンピュータ上でグリッドにはめ込んで作り出されるだけのものではない。
精密に意図されたものであれ、偶然の産物であれ、ループの重なりは多様なグルーヴを作り出す。DJ KENSEIによる『LOOPS』の2枚のレコードに刻まれた、88のロックされたループは、そのことを作品化したものであり、これ自体が多様なグルーヴのための新たなツールでもある。『LOOPS』は、これまで世にリリースされてきたロックド・グルーヴの中でも、その自由度と多様性において、群を抜いたレコードであるのは間違いない。」

◯DJ KENSEI Profile

あらゆる音や空間、時空を飛び回り、何モノにも捉われる事無く音と共に歩み続ける稀有なアーティスト。その探究心が生み出した傑作とも言える作品群は、令和時代でも色褪せる事なく輝き続け、様々なアーティストに刺激を与えている。ソロ名義での作品だけでなく、カルト的な人気を誇るINDOPEPSYCHICHS、COFFEE&CIGARETTES BAND、OMA’N’SEIなどのユニットでも活動し、国内外から高い評価を得ている。キャリア33年となる今でもその活動はとどまらず、2019年にはLocked Grooveを更に深化させた“LOOPS”を制作、新時代に向けてのビートメイキングやGrooveの在り方を提案している。

◯SYUNOVEN Profile

福島県会津若松市出身の朱のべんは、2001年から仙台に居を移し、ストリートからギャラリーまで、幅広い表現空間で活動を続けている。一本の線が渦巻き・ループ・螺旋状に絡み合った、VOCCI(ぼっち)とみずからが呼ぶ、抽象的な線画によるドローイングは、きわめて即興的でありながら、同時に魔術的な催眠力を秘めているようでもある。
ストリート育ちならではの、音源に乗せて一気に線を重ねていくライブドローイングは、完成した作品を見ているだけでは伝わってこない、それ自体がエネルギッシュなパフォーマンスでもある。

◯Information

タイトル:DJ KENSEI – LOOPS  88 LOCKED GROOVES Compiled by DJ KENSEI
価格:非売品 (Pioneer DJの対象機材を購入した方のみに、Pioneer DJ株式会社より提供される。)
リリース:2019年7月29日(Pioneer DJ株式会社のキャンペーン開始日に準ずる)
仕様:12インチ  2LP
ループ数:88本
All tracks produced by DJ KENSEI
Special thanks to sauce81
Mastered by KND
Graphic design by SYUNOVEN
Photography by Takuya Inoue
Published by OMOKAGE

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